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裁判員裁判を傍聴してみませんか

2023年5月15日

弁護士 明賀英樹

6月12日(月曜日)に大阪地裁で、弁護士明賀の解説つきで無料の裁判員裁判の傍聴を行います。滅多にない機会ですので、希望される方は、下記の大阪ボランティア協会に申し込んで下さい。

主催・お問合せ

社会福祉法人 大阪ボランティア協会“裁判員ACT”裁判への市民参加を進める会 

担当:永井(ながい)

電話:06-6809-4901 FAX:06-6809-4902

Email:officeアットosakavol.org

(「アット」を@に置き換えてください。)

 

なお、5月23日(火)にも別の弁護士が傍聴案内をする企画がありますので、日付を明示してください。

裁判員裁判とは

裁判員裁判は、強盗致傷・傷害致死・殺人などの刑事事件の中で重い部類に属する事件を、裁判官3名と、市民から無差別抽出で選ばれた裁判員6名、の合計9名で裁判の審理と判決を行います。有罪か無罪か、有罪の場合は懲役何年にするのかという量刑を、裁判官と裁判員が一人一票で対等に決めていく制度です。

 

裁判員は法律については素人ですが、事実があったかなかったか、どのような刑を科したらいいのかなどは、各人の異なった経験や視点から見ることができ、裁判官と対等に判断していけるのです。

 

なお、法廷の審理では、専門用語を使わずに、裁判員が見て聞いて分かるような工夫がされています。したがって法廷傍聴をする人も、審理では裁判員に近い体験をすることが出来るのです。

誰でも裁判員に

裁判員は選挙権を有する国民から無差別抽出で候補者名簿を作り、事件ごとに、その名簿の中から数十名の候補者を裁判所に来てもらい、質問をして都合の悪い人を除外したうえで無差別抽出で選任します。

 

毎年11月にその翌年の裁判員候補者名簿に載る人への通知が最高裁判所から届きますので、11月に通知が来ていない人は翌年の裁判員に選ばれることはありません。

裁判員裁判の創設

このような国民の司法参加の制度は、先進諸国はどこも取り入れており、2000年までそのような国民の司法参加がないG7の国は日本だけでした。司法制度改革を経て、ようやく2009年に日本で実現したのが裁判員制度です。裁判員を経験した人の90%以上が貴重な経験をしたと積極的に評価しています。

 

私弁護士明賀は、司法への国民参加が重要だと考え、1990年代に各国の陪審制度や参審制度を視察し、日本でも国民の司法参加制度を作るべきだと主張してきました。裁判員制度の制度設計にも関与し、裁判員規則を作った最高裁刑事規則制定諮問委員会の委員としても参加しています。

傍聴企画

裁判員裁判が実施された後も、弁護士として裁判員裁判の弁護人をするだけでなく、裁判員制度のことを広く知ってもらおう、よりよい制度にしていこうということで、大阪ボランティア協会の「裁判員アクト-裁判への市民参加を進める会」に加わって、公開学習会や裁判員裁判傍聴案内などをしてきました。

 

その裁判員アクトの企画の一つが、6月12日の裁判員裁判傍聴です。申し込んだ人に当日9時半に集合してもらい、裁判の進行などを説明したうえで傍聴し、休憩時間にも解説したり、疑問に思うことの質問に対応したりします(夕方まで行いますが、午前中のみの参加も出来ます)。

 

裁判は公開されており誰でも自由に傍聴出来ますが、どのような手続が行われているのか、注目すべき点はこの事件ではどういうところか、などは専門の弁護士から無料で解説を受ける方がより分かりやすくなると思います。

 

選挙権を有する人は誰でも裁判員になる可能性がありますし、裁判員裁判がどのように行われているかを実際に傍聴することによっていろいろ考える機会にしてもらえればと思います。