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カスタマーハラスメントについての自治体の動き

2024年2月22日

弁護士 松田直弘

今回は,カスタマーハラスメントについての自治体の動きについて,紹介します。厚生労働省が公表している「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」については,こちらのコラムで紹介していますので,合わせてご覧ください。

東京都

 東京都において,2024年2月20日,全国初となるカスタマーハラスメントの防止に向けた条例を制定する動きがあることが明らかにされました。カスタマーハラスメントの禁止が明記され,禁止行為の具体例については,ガイドラインの策定が想定されているとのことです。条例独自の罰則規定は設けない方針との事です。

年内の都議会への条例案提出が目指されているとのことですので,注目していきたいと思います。

秋田県

一方で,秋田県においては,2022年4月1日に施行された「秋田県多様性に満ちた社会づくり基本条例」に基づく,「多様性に満ちた社会づくりに関する方針」において,カスタマーハラスメントの具体例,及び判断に当たって配慮すべき点が示されていますので,紹介します。

【具体例】

○ 顧客や取引先から従業員に対して、次のような行為があった。

   ・ 土下座の強要

   ・ 長時間にわたる謝罪の要求

   ・ 大声で威嚇する、暴言を吐く

   ・ 一方的で不当な要求の執ような繰り返し

   ・ 人格を傷つける発言

   ・ 福祉サービスの男性利用者から、女性職員への卑わいな会話

【判断に当たって配慮すべき点】

○ カスタマーハラスメントは、労働者の疲弊や仕事のストレス要因になり得るものです。

 

○ 要求内容や要求態度が社会通念に照らし著しく不相当である悪質なクレームや迷惑行為は、場合によっては強要罪、恐喝罪等の犯罪として処罰されることもあります。

 

○ 自らの行動が社会に影響を与えることの自覚を持ち、社会の担い手として、モラルとマナーを備えて行動する「自立した消費者」であることが求められています。

 

○ また、企業にとっては、その他の通常の顧客等へのサービス低下や、労働者が大きなストレスを受ける職場である場合、離職率の増加や人材が集まらないこととなる可能性もあります。

 

○ これらの行為については、労働者に大きなストレスを与えるものであり、労働者を保護する観点から事業主による相談体制の整備、被害者のケア、対応マ ニュアルの整備等の対策が必要とされています。